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症例
円蓋部髄膜腫全摘出後26年で悪性髄膜腫として再発した症例
著者: 大田正流1 竹下岩男1
所属機関: 1九州労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.81 - P.85
文献購入ページに移動I.はじめに
われわれは,九州大学で1966年から1992年の間に手術を行った570例の髄膜腫患者の中で,下記の条件,1)初回腫瘍全摘術,2)術後頻回の経時的画像評価,3)過去にBrdUでの増殖能評価,これらの3条件を満たす患者33人を1)非再発群,2)再発群,3)転移群の3つのグループに分け,臨床経過とMIBI(Ki−67)staining index(MIB1 SI),BrdU labeling index,組織学的悪性度との相関を調べた.その結果,MIB1 SIと組織学的悪性度は臨床経過と良く相関し有意差を認めたので術後治療方針を立てる上で良い指標となり得ると1994年に報告した8).一般に,髄膜腫は組織学的悪性度に応じて,再発あるいは再増大までの期間が短くなる傾向がある3),4).今回,円蓋部髄膜腫全摘後約26年で再発を認め,再発後約2年半の問に急速に増大した症例を経験した.病理組織評価で初発時は異型度が低かったのに対し,再発時には悪性度がきわめて高く,MIBI SI7)も高値を示したので報告する.
われわれは,九州大学で1966年から1992年の間に手術を行った570例の髄膜腫患者の中で,下記の条件,1)初回腫瘍全摘術,2)術後頻回の経時的画像評価,3)過去にBrdUでの増殖能評価,これらの3条件を満たす患者33人を1)非再発群,2)再発群,3)転移群の3つのグループに分け,臨床経過とMIBI(Ki−67)staining index(MIB1 SI),BrdU labeling index,組織学的悪性度との相関を調べた.その結果,MIB1 SIと組織学的悪性度は臨床経過と良く相関し有意差を認めたので術後治療方針を立てる上で良い指標となり得ると1994年に報告した8).一般に,髄膜腫は組織学的悪性度に応じて,再発あるいは再増大までの期間が短くなる傾向がある3),4).今回,円蓋部髄膜腫全摘後約26年で再発を認め,再発後約2年半の問に急速に増大した症例を経験した.病理組織評価で初発時は異型度が低かったのに対し,再発時には悪性度がきわめて高く,MIBI SI7)も高値を示したので報告する.
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