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文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
脳神経外科手術のための詳細な脳機能マッピング
著者: 三國信啓1
所属機関: 1京都大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.907 - P.918
文献購入ページに移動I.はじめに
詳細な脳機能マッピングは,手術操作によってeloquent areaの障害が予想される場合に必要不可欠な検査である.具体的には脳腫瘍,血管性病変,またはてんかん原性焦点などが感覚運動野や言語野などの皮質とその神経線維近傍に局在する,あるいは手術経路がその近くとなる場合である.脳機能部位と病変部との位置関係により,手術術式や時には手術適応そのものが決定される.
脳皮質機能局在に関しては,1950年代にK.Kleistによる臨床所見やPenfieldによる電気刺激の結果が詳細に報告されている27,28).この局在はBrodmannが報告した大脳皮質の細胞構築による47野の分類と綿密に相関しており,現在でも広く用いられている(Fig.1).しかし,占拠性病変とその周辺浮腫や皮質形成異常などで画像上の解剖学的構築が不明になっていることが多く,さらに脳機能部位の変位や再構築が生じている場合7,9,12,20)があり,個々の症例での術前マッピングが必要となる.
詳細な脳機能マッピングは,手術操作によってeloquent areaの障害が予想される場合に必要不可欠な検査である.具体的には脳腫瘍,血管性病変,またはてんかん原性焦点などが感覚運動野や言語野などの皮質とその神経線維近傍に局在する,あるいは手術経路がその近くとなる場合である.脳機能部位と病変部との位置関係により,手術術式や時には手術適応そのものが決定される.
脳皮質機能局在に関しては,1950年代にK.Kleistによる臨床所見やPenfieldによる電気刺激の結果が詳細に報告されている27,28).この局在はBrodmannが報告した大脳皮質の細胞構築による47野の分類と綿密に相関しており,現在でも広く用いられている(Fig.1).しかし,占拠性病変とその周辺浮腫や皮質形成異常などで画像上の解剖学的構築が不明になっていることが多く,さらに脳機能部位の変位や再構築が生じている場合7,9,12,20)があり,個々の症例での術前マッピングが必要となる.
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