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研究
中大脳動脈瘤の流体力学的特徴
著者: 玉野吉範1 氏家弘1 吉本成香2 堀智勝1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京理科大学機械工学科
ページ範囲:P.921 - P.930
文献購入ページに移動脳内に発生し,くも膜下出血の原因となる嚢状脳動脈瘤の発生,成長,破裂を促進する因子の1つとして,血行力学的負荷の関与が深く関わっていると考えられる2,4,6-9,15,26).動脈瘤内の流れに関する研究は数多くあるが2,4,10,11,14,15,18-20,22,25,26),動脈瘤のgeometryの特徴と流れの相関を定量的に検討したものはない.
今回われわれは,動脈瘤を有する中大脳動脈分岐部の血管撮影における形態学的特徴について,1)親血管の血管径(M1血管径),2)分岐後血管の血管径(M2血管径),3)neck size,4)動脈瘤の長径等を測定し,これらの測定値からarearatio(M2断面積比),aspect ratio(depth/neckwidth)を求め,脳動脈瘤を有する血管系のgeo-metryの特徴を調べた.このgeometryの検討は中大脳動脈分岐部に,動脈瘤を有さないもの,未破裂動脈瘤を有するもの,破裂動脈瘤を有するものの3グループで行った.
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