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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻10号

2001年10月発行

文献概要

症例

Reversible posterior leukoencephalopathy syndromeを呈した子癇とHELLP症候群を合併した1例

著者: 瀧波賢治1 長谷川健1 宮森正郎1 松本哲哉1 吉本裕子2 千鳥哲也2

所属機関: 1富山市民病院脳神経外科 2富山市民病院産婦人科

ページ範囲:P.967 - P.970

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I.はじめに
 1982年にWeinstein11)が妊娠後期に溶血,肝酵素上昇,血小板減少を来す29例を報告し,その頭文字をとってHELLP症候群と名づけた.今日,本症候群は母児予後にとって極めて重篤な障害をもたらすことが知られているが,その病因についてはいまだ不明な点が多い,しかし,最近HELLP症候群において肝動脈の血管攣縮の存在が報告され6),病因として注目されている.また子癇発作とは分娩前後にかけて発症する痙攣発作で,その病因としては,脳血管攣縮に伴う一過性脳虚血が指摘されている10)
 Reversible posterior leukoencephalopathy syn-dromeとは一過性に頭痛や精神症状,痙攣,視力低下などを呈し,画像上後頭葉を中心に梗塞を伴わない浮腫が認められる症候群である2).その原因として,高血圧,子癇,免疫抑制剤の使用などが認められる.今回われわれは妊娠35週で子癇,視力障害およびHELLP症候群を発症し,MRI上後頭葉に異常信号を呈しMRAで頭蓋内主幹動脈の狭窄を認め,帝王切開分娩後に改善を認めた症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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