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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻11号

2001年11月発行

文献概要

研究

高安動脈炎に伴う頸動脈および鎖骨下動脈閉塞性病変に対するstenting

著者: 阪井田博司1 坂井信幸1 永田泉1 酒井秀樹1 飯原弘二1 東登志夫1 木暮修治1 高橋淳1 大田元1 長嶺知明1 安栄良悟1 副田明男1 谷口歩1 新堂敦1 菊池晴彦1

所属機関: 1国立循環器病センター脳神経外科 2三重大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1033 - P.1041

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I.はじめに
 高安動脈炎(Takayasu arteritis,以下TA)は大動脈とその主要分岐に発生する非特異的血管炎で,本邦では頭頸部や上肢症状を伴う若年女性例が多い.感染を契機とする自己免疫疾患や遺伝的因子の可能性が指摘されているものの,未だ病因は不明のため根治的治療法は確立されていない.画像診断の進歩に伴い早期発見・早期治療が可能となり生命予後は改善されたが,その反面,頭頸部や上肢の長期血流障害に対するより積極的な治療法が求められるようになってきた1,5,11,13,20,26)
 血管内治療の発達に伴い,TAによる閉塞性病変に対し,1980年以後percutaneous transluminalangioplasty(以下PTA)が応用され始めたが,動脈硬化症以上に再狭窄が多発することが報告された3,6,7,9,16,17,21-23).この問題を改善する目的で1994年以後stentingが施行され,良好な長期成績を得られることが明らかとなってきた2,4,10,12,14,15,18,19).われわれは,動脈硬化症に伴う頭頸部動脈狭窄症および閉塞症に対する治療経験をもとに,少数例ながら本症に対してstentingを施行したので,その有用性と問題点につき文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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