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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻11号

2001年11月発行

文献概要

症例

Paradoxical expansionを示した多発性脳結核腫の1例

著者: 後藤和生1 西浦巌1 長田憲和2 山本篤2 川西昌浩2 半田肇2

所属機関: 1武田総合病院脳神経外科 2武田総合病院病理部

ページ範囲:P.1075 - P.1079

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I.はじめに
 抗結核薬療法の確立以来減少傾向にあった結核感染症が,従来から多いとされていた発展途上国のみならず,減少しつつあった先進諸国においても近年増加傾向にある.その理由として医療の進歩によるコンプロマイズドホストの増加による晩期まん延,および薬剤抵抗性結核菌の出現などが挙げられる.一方で結核菌の遺伝子解析はすでに完了し5),PCR(polymerase chain reaction)法により結核診断は進歩を遂げ,耐性獲得のメカニズムも解明されつつある3,4)
 中枢神経結核は粟粒結核に合併することが多いが13),その内の1つである脳結核腫は現在のわが国では未だ稀な疾患であり,多発性はその1/3にすぎない9).またその特異な現象として脳結核腫の化学療法の経過中に画像的,臨床的に増悪する“paradoxical expansion”が知られている8).われわれの経験した多発性脳結核腫の1例につき画像所見およびparadoxical expansionを示した臨床経過を中心に検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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