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研究
3D-CTAによる頭蓋内静脈の評価—脳動脈瘤手術の観点から
著者: 遠藤孝裕1 鈴木泰篤1 池田尚人2 神保洋之2 池田幸穂2 松本清2
所属機関: 1セコメディック病院脳神経外科 2昭和大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1167 - P.1174
文献購入ページに移動近年,脳動脈瘤の治療にあたり,脳血管造影を行わなくとも,three-dimensional CT angiogra-phy(3D-CTA)からの情報のみで手術が可能であるとの報告が多い3,11,21,29).しかし,これらの報告では脳血管造影と比較して脳動脈瘤と親血管の描出能の優秀さのみを強調した内容に終始しているように思われる.一方,術後合併症においてはpterional approachを例として取り上げても静脈系の関与が重要な要因となっている2,7,16,20,27).このようなことから,脳血管造影を行わないことで静脈系の情報が確認されないまま手術に臨んでしまうことが危惧される.3D-CTAから得られる静脈系の情報が術前検索に利用できるかは重要な問題と思われる.今回われわれは,内頸動脈周囲に介在する静脈系について3D-CTAを用い,その描出能を検討した.
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