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症例
脳血管造影中にextravasationを来した高齢者脳動静脈奇形の2症例
著者: 上田祐司1 浦川学1 川上憲章1
所属機関: 1小郡第一総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.1195 - P.1199
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malforma-tions:AVM)において血管造影中の造影剤漏出(extravasation)は極めて稀とされており,また脳動脈瘤破裂患者のそれとくらべ比較的予後がよいとされている.しかしAVMの破裂により脳実質内出血を来す年齢は一般に他の頭蓋内出血を来す疾患に比べ若年であり,再出血率の違いからみても一概にextravasation症例の予後についてAVM例と破裂動脈瘤例とを比較するには検討の余地があると考えられる.
最近,われわれは脳内出血で発症した2例の脳動静脈奇形患者に来院直後に脳血管造影検査を施行する機会があり,造影剤のextravasationを来した.これまでの報告例も加え,出血で発症したAVM症例における造影剤血管外漏出について考察する.
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