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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻2号

2001年02月発行

文献概要

総説

大脳半球星状細胞腫の手術

著者: 黒岩敏彦1 宮武伸一1

所属機関: 1大阪医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.107 - P.118

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I.はじめに
 星状細胞腫には種々の亜型があってそれぞれbiologyが異なるので,その治療法を考える場合には,まず確実な組織診断が非常に重要である.Pilocytic astrocytoma, pleomorphic xanthoas-trocytoma, suhependymal giant cell astrocytomaなどは手術摘出のみで治癒が可能である.Diffuseastrocytomaでは,肉眼的に全摘出できれば術後の放射線療法は施行しないとの意見も多いが37,42,48),報告されている全摘出率は低く,しかも周囲浸潤領域は摘出されていないので,可及的な摘出と術後に局所放射線照射を追加するとの意見も説得力を持つ38).一方,anaplastic astrocytomaやglioblastomaにおいては,画像上の造影剤増強領域の摘出と術後の放射線化学療法が標準的である52,60).いずれの場合も,可及的な摘出によって生命予後は延長してQOLも改善する7,36,44,46-49,52,59,60).これは再発時においても同様である9).すなわち,大脳半球星状細胞腫の手術においては,神経症状を加えることなく最大限摘出することを目指す.種々の補助療法も開発工夫されつつあるが,この疾患における手術の果たす役割は依然としてきわめて大きい.ここでは,種々の星状細胞腫の手術法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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