icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻3号

2001年03月発行

文献概要

研究

側頭葉内側部病変による記憶障害

著者: 雄山博文1 上田正子2 池田公1 井上繁雄1 飯塚宏1 遠藤乙音1 渋谷正人1

所属機関: 1社会保険中京病院脳神経外科 2社会保険中京病院言語療法科

ページ範囲:P.233 - P.239

文献購入ページに移動
I.はじめに
 側頭葉内側部は,脳梗塞,一酸化炭素中毒,無酸素症,心肺停止後等の脳虚血6,7,8,18,22,25,27),脳出血,くも膜下出血,巨大動脈瘤,cavernousangioma, venous angioma, arteriovenous malfor-mation(AVM)等の血管障害6,7,8,18,22,27),脳挫傷等の外傷性疾患,glioma, neuroblastoma, malig-nant lymphoma, dysembryoplastic neuroectoder-mal tumor, dermoid or epidermoid cyst, hamarto-ma等の腫瘍性病変,単純ヘルペス脳炎,abscess,meningitis, cysticercosis, toxoplasmosis等の感染性疾患6,7,8,18,22,23,27),cortical dysplasia, arrhinencephalia, holoprosen-cephaly等の発生障害,側頭葉てんかん,radia-tion necrosis,脳ヘルニア,アセチルサリチル酸による中毒などさまざまな疾患6,7,8,18,22,27)で障害される.
 このような側頭葉内側部の障害では,記憶の一時的貯蔵庫である海馬の障害のため,記憶の固定化ができず健忘症を生じるが,その障害部位と症状との関係はまだまだ臨床的には明らかになっていないものと思われる25).われわれは,脳出血,脳梗塞,脳腫瘍,頭部外傷等の側頭葉内側部病変により,記憶障害を呈した6例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?