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症例
蛇行した椎骨動脈の延髄圧迫によって片麻痺を呈した1例
著者: 高野尚治1 斎藤元良1 宮坂佳男2 藤井清孝2 高木宏3
所属機関: 1北里研究所メディカルセンター病院脳神経外科 2北里大学脳神経外科 3大和市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.247 - P.251
文献購入ページに移動三叉神経痛,半側顔面痙攣は,両者とも発作性,不随意な神経刺激症状を呈し,これらの疾患の病因としてDandy2),Gardner3),Jannetta6)らの報告以来neurovascular compressionという概念が定着し,神経血管減圧術が行われている,さらに耳鳴り,回転性めまいなどに対しても応用され6),本態性高血圧への治療の報告もあり13,18),hyperactive cranial nerve dysfunctionの概念は定着している.しかし,これらとは異なり,hypo-active cranial nerve dysfunction syndromeの報告例は少なく,ほとんどが拡張,蛇行した椎骨・脳底動脈による圧迫症状を呈した報告である.われわれは,正常径の椎骨動脈によって延髄が圧迫され片麻痺症状を呈した症例を経験した.症例は頭痛・嘔吐で発症し,その後麻痺が出現し,あたかもくも膜下出血を疑わせ,興味ある症例として報告する.
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