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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻4号

2001年04月発行

文献概要

総説

神経幹細胞応用の可能性について

著者: 本望修1 上出廷治1 端和夫1

所属機関: 1札幌医科大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.293 - P.304

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I.はじめに
 ヒト成人脳における神経幹細胞の発見により1,2,13,19,20,24,27),神経系の発達,正常脳の維持機構(cell turn over),神経系の各種疾患に対する認識,および神経機能回復を目標とした新治療法の開発戦略は,今後,相当変化すると予想される.特に,ヒト神経幹細胞の抽出・培養が可能となったことで,神経幹細胞が脳機能再建における新たな治療法開発のbreak throughになることは,今や世界中の科学者,医師,患者が期待するところである.
 過去数十年にわたり,中枢神経系疾患による機能障害に対する新治療法の開発を目的として,多くの神経移植研究が行われてきた.神経組織の移植による治療は,パーキンソン病において臨床的にも有用であることは周知の事実であるが,近年では,細胞レベル(ヒト由来の神経系細胞を含む)での移植が各種神経疾患の機能回復に有効であることが実験的に認められ,細胞移植療法(a cell therapy)は中枢神経系疾患に対する治療戦略の一つとして有望と考えられ始めている1,2,13,14,15,18,19,20,24,25,42,46)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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