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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻4号

2001年04月発行

文献概要

研究

STA-MCA吻合術を行った脳主幹動脈閉塞症の脳循環動態の検討

著者: 山根冠児1 島健1 西田正博1 畠山尚志1 山中千恵1 豊田章宏1 平松和嗣久1 石野真輔1 岡田芳和2

所属機関: 1中国労災病院脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.307 - P.313

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I.はじめに
 内頸動脈閉塞および中大脳動脈閉塞例に対する浅側頭動脈‐中大脳動脈(superficial temporal artery-middle cerebral artery, STA-MCA)吻合術は,1985年のEC-IC bypass study17)で脳虚血によるstrokeを防止できなかったと報告され,われわれ脳神経外科医にとって不本意な結果であった.しかし,EC-IC bypass studyではbypass手術を行った群で周術期にmajor strokeを4.5%も起こしていたことがその後のbypass群の予後評価に重大な影響を及ぼし,strokeの予防に内科治療群と比較して有意な差が出なかったと考えられる.さらに,脳血流の評価による患者の選択がされていなかったために,hemodymamic comprom—iseにある患者以外,たとえば脳塞栓による脳虚血例にも手術がされていた可能性があり,そのために,有意な差がでなかった可能性も考えられている6,15)
 著者らは,1988年からは内頸動脈閉塞および,中大脳動脈閉塞例に対し,脳血流検査の評価を参考にしてSTA-MCA吻合術を行ってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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