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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻5号

2001年05月発行

文献概要

症例

虚血症状にて発症し,早期に出血と細菌性動脈瘤の新生を認めたseptic embolismの1例

著者: 若本寛起1 冨田栄幸1 宮崎宏道1 石山直巳1 赤坂喜清2

所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科 2東邦大学医学部第2病理

ページ範囲:P.415 - P.420

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I.はじめに
 感染性心内膜炎(infective endocarditis;IE)の重篤な合併症であるseptic embolismでは様々な病態を引き起こすことが知られている.その機序は,まず細菌性栓子が血管内腔を閉塞した後,動脈壁内へ炎症細胞が直接浸潤して壁を脆弱化させる.そこでhemodynamic stressが加わって内腔が拡大すると細菌性動脈瘤が形成される.しかし栓子が血管を閉塞したときに症状を呈し,引き続いて動脈瘤が発生してきた過程を捕らえた報告例は非常に稀である.今回われわれは脳虚血症状にて発症し,早期に出血を来した後,細菌性動脈瘤の発生を認めた稀な1例を経験した.栓子形成から脳動脈瘤形成,破裂までの期間を知るうえで貴重な症例と思われたので,若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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