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症例
穿刺排膿後遅発性に被膜より出血を来したガス産生脳膿瘍の1例
著者: 若本寛起1 冨田栄幸1 田伏将尚1 宮崎宏道1 石山直巳1
所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.445 - P.449
文献購入ページに移動近年脳膿瘍の外科的治療において,定位的穿刺排膿術は低侵襲で合併症の少ない術式として広く普及し,施行される機会も増えているが,実際に合併症を来した報告例は少なく,穿刺にて被膜より大出血を来した例5)などが散見されるに過ぎない.今回われわれは,ガス産生菌による脳膿瘍に対して定位的穿刺排膿術を施行して膿瘍を縮小させたが,2週間後に膿瘍が急激に再増大してきたため,再度穿刺排膿術を施行したところ,黒色の凝血しない陳旧性血腫の流出を認めた.初回術中,術直後に出血は来しておらず,穿刺した被膜から出血が遅発性に起こり,凝血しない血液が徐々に貯留してきたものと思われた.脳膿瘍の定位的穿刺排膿術後にこのような合併症を来した報告例は過去に確認し得ず,若干の文献的考察を加え報告する.
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