icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻6号

2001年06月発行

雑誌目次

ITとこころ

著者: 森竹浩三

ページ範囲:P.482 - P.483

 昨年の日本脳神経外科学会総会は福井仁士会長のもと福岡の地で開催された.会期と会場がプロ野球日本シリーズのそれと重なったことからマスメディアに大きくとり上げられた.様々な機会にいろんな人からこのことを聞かれ世間話に花が咲いた.脳神経外科の存在をあらためて世に知らしめたようで,学会が盛会裡に終わったことと合わせ喜びたい.この日本シリーズではON対決が話題となり,今世紀最後,いや世紀をこえて最初で最後かもしれないとの思いもあってか,その人気はかつてのプロ野球黄金時代を彷彿させた.スター性にあふれた長嶋には確かに魅せられる.しかし激しい闘志を秘めたいぶし銀の王監督,そしてその下で,資金力にまかせてスター選手を集めた巨人に立ち向かわんとする鷹達のひたむきな姿に胸を熱くした.暗く,やりきれない話題や事件の多いなか,しばし感動にひたることができた.
 感動は心(こころ)があって生まれるものである.昨年の沖縄サミットで“IT革命”が会議の最重点目標として掲げられ,政府予算に反映されたこともあって,何かにつけてITという言葉が飛び出してくる.医療も例外でなく,様々な分野でIT導入が検討され財政も含めた医療改革の要となっている.ITを支えるデジタル技術は,かつては脳神経外科の医療そのものを根底から変えたX線CTの発明,そしてこれから派生した様々なデジタル画像を生んだ.これらは,患者に侵襲や苦痛を与えることなく,それまでと比べると驚くべき正確さで疾患に関する情報をわれわれはもちろん,患者サイドにも分かりやすい形で提供してくれている.その結果,患者と医師が同じ土俵で話ができるようになり,インフォームドコンセントやevidence-basedmedicineの考えが普及した.一方で,現実には毎日のように医療ミスや医薬業界のスキャンダルがマスメディアを賑わし,ネガティブな側面を世間にさらし,今やこれらを防止することが医療機関の最重要課題となっている.しかしよく考えると,このリスクマネージメントはずっと以前から有形・無形を問わず存在していたはずである.にも拘らず医療をめぐるトラブルが急増している理由の1つに,医師のモラルや資質の低下したことをあげる者もある.しかし何よりも,個人の権利意識が急速に高まったことが主な理由であろう.現場対応をめぐるクレーム事件にみられるように,これまでなら許され見過ごされてきたような些細な事柄も,“クレーマー”にかかるとマスメディアやインターネットがフルに利用され一方的な主張が世間を動かし,こつこつと築き上げてきたものも一瞬にして台無しにされる.このような事例があちらこちらで起こってきているようである.いずれにしてもこのようなトラブル増加の背景には人間同士の心のつながり,心のゆとりといったものが失われてきたことにあるのは間違いあるまい.

総説

脳神経外科の麻酔

著者: 佐藤清貴 ,   加藤正人

ページ範囲:P.485 - P.494

I.はじめに
 麻酔薬は脳循環代謝に影響を及ぼし,呼吸・循環変動は頭蓋内環境を変化させる.したがって,麻酔薬の選択,麻酔管理によって手術が困難となり,また患者の予後を左右することになる.全身麻酔に用いられている麻酔薬は静脈麻酔薬と吸入麻酔薬に大別されるが,それらの頭蓋内環境に対する影響は大きく異なり,その理解は脳神経外科手術の麻酔管理に不可欠と考えられる.そこで,麻酔薬の頭蓋内環境に対する影響と各疾患に適した麻酔管理法について述べる.

解剖を中心とした脳神経手術手技

頸動脈血栓内膜切除術—シャントシステムを用いて

著者: 岡田芳和

ページ範囲:P.497 - P.508

I.はじめに
 本邦においても,頸部頸動脈の動脈硬化性狭窄病変は,脳虚血発作の主因として注目されるようになってきた.本病変に対する外科的治療法は,頸動脈血栓内膜切除術(Carotid Endarterectomy;CEA)が基本で,randomized studyによるevi-denced based medicineに基いた脳神経外科領域の手術療法である.この結果狭窄度が70%をこえる症候性狭窄病変,また60%をこえる無症候性病変に対するCEAは,内科的治療法よりも脳虚血発作の予防効果が高いことが示唆された9,10,22).この適応は術者に対する厳しい条件(mortality & morbidity:<3〜6%)下で得られた結果であることが重要な点の1つである21).CEAの手技は確立されてはいるが,症例や術者によりいくつかの点で趣を異にしている8,19,27).特に本邦例では高位病変が多いことや頸部頸動脈が細い傾向にあることなど欧米での症例と異なる状況も報告されいる.また潰瘍形成や壁在血栓の有無などの頸動脈壁の性状も手術適応や操作の重要なポイントとなる18).したがって本邦例に適した手術法や手術器具の改良が本邦におけるCEAを成功させるポイントの1つと考えられる.
 本稿では本邦における頸動脈系ならびに頸動脈狭窄病変の特徴を分析し,問題となる高位病変に対し,ルーチンにシャントを用いる手術手技を中心に述べる.

研究

複合セラミック(セラタイト)を用いた経鼻的下垂体腫瘍摘出術時のトルコ鞍底の再建術

著者: 阿部琢巳 ,   松本清 ,   九島巳樹

ページ範囲:P.511 - P.515

I.はじめに
 人工材料を用いた下垂体腫瘍摘出術時のトルコ鞍底の再建に関しては,これまでいくつかの報告がなされてきた1,2,4,5,7,13).近年,セラミックスの有用性が認められ,バイオセラミックスとして用いられるようになった8).この中でもハイドロキシアパタイト・リン酸三カルシウム複合体(hydroxyapatite and tricalciumphosphate:以下HAP・TCPと略す)は,補槇部位周囲の造骨作用を促進し,新正骨と直接結合するとされている3,8,9,10,14,15).HAP・TCP(セラタイト®,日本特殊陶業株式会社製)は従来の骨補填材料よりも強度を有するという利点を有し,多孔体およびスペーサーは脳神経外科,整形外科,耳鼻咽喉科,形成外科,口腔外科領域において種々の骨欠損部の充填や再建に用いられている3,9,11,16).今回われわれは,このHAP・TCPを用いて経鼻的下垂体腫瘍摘出後のトルコ鞍底再建のためのプレート(トルコ鞍プレート)を新たに考案し,それを臨床応用したので報告する.

骨構造を透視したCT Angiography透過画像による脳動脈瘤構築の解析

著者: 佐藤透

ページ範囲:P.517 - P.524

I.はじめに
 CT Angiography(以下,CTA)は造影剤増強によるヘリカルCTスキャニングとそれから得られた生体内三次元情報(volume data)のコンピュータ解析により,脳血管病変,特に脳動脈瘤の非侵襲的画像診断法としてその有用性は広く認められている2-8).Multi-detector CTの登場など近年のCT装置や撮像技術の進歩には著しい発展が認められるが2),撮像系から得られた高品質なvolumedataは,コンピュータの画像処理計算能力の限界や操作性の煩雑さからその解析は不十分であったと思われる.しかし,最近のワークステーションでの画像処理技術の革新により,画像解析にvolume rendering(VR)法を使用することで,すべてのvolume dataから関心領域を選択的に抽出し,関心領域の不透明度(opacity)の調整や色付け階調の工夫,さらにはperspective VR法による仮想内視鏡的観察など様々な解析方法を応用することで目的に応じたvolume dataの可視化画像が作成可能となってきている1,4-6)
 CTAの情報伝達特性として,脳動脈瘤構築が周囲骨構造との関係において立体的に画像表示できる反面,頭蓋底骨構造近傍の脳動脈瘤では脳動脈瘤構築を隣接する骨構造と分離することが困難な場合があり画像診断上問題となる.今回この問題を解決すべく,volume dataの解析にVR法を使用し,関心領域の選択的抽出とopacityの調整を行うことで骨構造を透視したCTA透過画像を創作した.本稿では,脳動脈瘤構築の解析にCTA透過画像を臨床応用したので,その作成方法を述べ,特に頭蓋底骨構造近傍の脳動脈瘤例における有用性と限界につき報告する.

症例

脳腫瘍と鑑別が困難であったNeuro-Behcet病の1生検例

著者: 吉村淳一 ,   外山孚 ,   関原芳夫 ,   玉谷真一 ,   永井博子 ,   藤田信也 ,   江村巌 ,   山田光則

ページ範囲:P.527 - P.531

I.はじめに
 Behcet病は再発性口腔内アフタ性潰瘍,外陰部潰瘍,ブドウ膜炎を3主徴とする原因不明の炎症性疾患であり,中枢神経障害を合併したneuro-Behcet病はBehcet病の約10%に認められる6,10,11,14,18,22).Neuro-Behcet病は脳幹部や基底核に好発し,ときに多発性硬化症や脳腫瘍など他の疾患との鑑別が問題となる.
 今回われわれは口腔内アフタ,外陰部潰瘍を繰り返し,若年の痴呆,右片麻痺にて発症した不全型neuro-Behcet病で術前脳腫瘍との鑑別が困難であった1生検例を経験したので報告する.

多発性脳出血を生じた左房粘液腫の1例

著者: 雄山博文 ,   中山雅人 ,   池田公 ,   前田正信 ,   宮原健 ,   井上繁雄 ,   桜井一 ,   村山弘臣 ,   長谷川広樹 ,   飯塚宏 ,   遠藤乙音 ,   渋谷正人

ページ範囲:P.533 - P.537

I.はじめに
 心臓由来の粘液腫は全身に転移し脳塞栓を起こしやすいことはよく知られているが,脳出血で発症することは稀である3,16,21).われわれは,脳出血を伴った全身塞栓の1例を経験したので,文献的考察とともに報告する.

部分血栓化にて発症した未破裂上小脳動脈末梢部動脈瘤の1例

著者: 若本寛起 ,   田伏将尚 ,   宮崎宏道 ,   石山直巳

ページ範囲:P.539 - P.543

I.はじめに
 上小脳動脈末梢部動脈瘤は稀な脳動脈瘤であり,大部分はくも膜下出血にて発症し,脳神経麻痺を伴うことが多いとされる.今回われわれは上小脳動脈末梢部動脈瘤が破裂ではなく,部分血栓化により発症した症例を経験した.脳動脈瘤の自然血栓化は稀な病態であるが,上小脳動脈末梢部という稀な部位の未破裂動脈瘤が,いかなる機序で部分血栓化を来したのか興味が持たれた.同部位の血栓化動脈瘤の報告例はほとんどなく,今回われわれは瘤内血栓化の過程を初期の段階から画像的に捕らえることができたため,上小脳動脈末梢部における未破裂動脈瘤の自然血栓化の発生機序を画像所見を中心に検討し,若干の文献的考察を加え報告する.

術前診断が困難であった末梢性中大脳動脈瘤の1例

著者: 中島進 ,   下川尚子 ,   中川摂子 ,   友清誠 ,   古川義彦 ,   姉川繁敬 ,   林隆士

ページ範囲:P.545 - P.549

I.はじめに
 脳動脈瘤の発生部位はウィルス動脈輪周囲の主幹動脈分岐部が圧倒的に多く,末梢部での発生は少ない.末梢部脳動脈瘤では前大脳動脈領域のものは比較的多く認められるが,中大脳動脈末梢部領域のものは,全動脈瘤中の約2%と少なく稀である12,14)
 今回筆者らは,くも膜下出血を伴った右脳内出血症例を経験したが,入院後に施行した脳血管撮影では右内頸動脈海綿静脈洞部に動脈瘤が認められたものの,中大脳動脈領域には明らかな血管奇形を指摘できなかった.緊急開頭手術中に中大脳動脈末梢部の動脈瘤を確認できた症例であるが,手術上の注意点を含め検討したので報告する.

下垂体腺腫との鑑別が困難であったトルコ鞍内髄膜腫の1例

著者: 松本茂男 ,   早瀬睦 ,   今村博敏 ,   織田祥史 ,   菊池晴彦 ,   片山美奈子 ,   石原隆

ページ範囲:P.551 - P.557

I.はじめに
 トルコ鞍内髄膜腫(intrasellar meningioma)はトルコ鞍近傍に発生する髄膜腫のなかでもきわめて稀な疾患であるが,手術法の選択に当たっては術前に本疾患と非機能性下垂体腺腫を鑑別することが重要である.われわれは汎下垂体機能低下症で発症し,非機能性下垂体腺腫の診断のもとに経蝶形骨洞法による手術を行い,病理学的に髄膜腫と診断し得た1例を経験した.症例を呈示し,特にそのMRI上の画像診断の特徴について検討を加えて報告する.

Radiation-induced arterial injuryによる両側内頸動脈狭窄に対しステント留置術を行った1症例

著者: 大田元 ,   坂井信幸 ,   永田泉 ,   酒井秀樹 ,   東登志夫 ,   高橋淳

ページ範囲:P.559 - P.563

I.はじめに
 放射線障害による内頸動脈(ICA)狭窄症に対する治療として従来から頸動脈内膜剥離術(CEA)が行われているが,血管周囲組織のfibrosisにより剥離に難渋するなど,手技的困難な状況が存在することが報告されている1,5,9,11).近年血管内治療の発達により経皮的血管形成術(PTA)やステント留置術が比較的安全に行われるようになり,CEA困難症例には代わり得る治療法として試みられている3,16).今回われわれは,放射線障害による両側ICA狭窄症に対しステント留置術を行い良好な結果が得られたので,文献的考察を含め報告する.

GDCを用いて腫瘍栄養血管である内頸動脈小分枝の塞栓術を行った錐体斜台部髄膜腫の1例

著者: 勝間田篤 ,   日下昇 ,   杉生憲志 ,   中嶋裕之 ,   伊達勲 ,   大本堯史

ページ範囲:P.565 - P.569

I.はじめに
 海綿静脈洞部や頭蓋底部の髄膜腫,海綿状血管腫(髄外),頸静脈グロムス腫瘍等の血管成分の豊富な腫瘍はしばしば内頸動脈の硬膜枝や海綿静脈洞分枝により栄養されている12).このような腫瘍の摘出術に際しては,しばしば大量の出血を伴うため,術前塞栓術を行うことにより出血量を減じ,ひいては手術操作が容易になることはよく知られている11,12).しかし,実際にはこれらの腫瘍の栄養動脈は細い上に屈曲蛇行していることが多く,マイクロカテーテルの操入が困難とされている.またカテーテルの挿入ができたとしても,逆流によって内頸動脈主幹に塞栓物質が迷入する危険性もある2,11).Guglielmiはこれらの分枝に対する新たな塞栓物質としてGuglielmi detachablecoil(GDC)を改良して作成されたGDC crescentを報告している4).このシステムは安全に上記のような分枝を塞栓できるものであるが,現時点では市販化されていない.本稿では,既存のGDCを用いて腫瘍の栄養血管である内頸動脈小分枝の術前塞栓術を行い,有効な塞栓結果を得た錐体斜台部髄膜腫の1例を報告する.

読者からの手紙

「慢性硬膜下血腫における術後残存空気と再発の関係」5)に対して

著者: 青木信彦

ページ範囲:P.571 - P.572

 最近,貴誌に発表された塩見らの慢性硬膜下血腫の再発についての論文5)を興味深く拝読いたしました.血腫腔に残存した空気が再発に関与するとの趣旨であります.小生は,これまでにも多くの学会で慢性硬膜下血腫の手術では空気を残さないようにする,とのanecdotalな概念が残っていることについての,批判をしてまいりました.塩見らの論文では,ドレナージチューブが血腫の最先端にまで挿入できなかった(Group II)の10血腫中4血腫(40%)に再発がみられ,これは最先端まで挿入可能であった血腫(Group I)に比べて,統計学的に(ρ<0.01)有意差があったというものです.しかし,著者らの手技,つまり術中の血腫洗浄に加えて数日間のドレナージを行っても,40%という高率な再発が生じたということについては,納得のいかない読者も多いと思われます.血腫の洗浄を行わなくとも,またドレナージチューブをどこに置こうとも,単なるドレナージだけで十分であるという経験をもつ施設は少なくありません6).また,空気の残存がなぜ再発に関与するのかについては,最もポピュラーな疾患の治療という点でも,きわめて興味深いものがあり,著者らに質問させていただくとともに,コメントを付け加えたいと思います.

青木信彦先生への回答

著者: 塩見直人

ページ範囲:P.573 - P.573

 私たちの論文に対して貴重なご意見をいただき,ありがとうございます.質問に対して意見を述べさせていただきます.
 慢性硬膜下血腫の治療において,短時間かつ低侵襲で行う穿頭血腫洗浄術では,合併症なく施行するほかに再発を予防することが重要です.再発防止には種々の工夫があり4,5),私たちの方法は工夫の1つです.現時点で,再発要因は多様であり,考え得る要因を極力排除する工夫が必要です.術後残存空気の再発への関与については,従来の報告1,2)に加えて最近,ドレナージ挿入方向を解析した結果が報告されました3).この報告では,術後残存空気が再発要因となり得ると結論しており,私たちの論文と同じ趣旨であると考えられます.長期間の多量の空気貯留が外膜内膜間の癒着を妨げるなどの機序も推測されます.

報告記

第1回日米脳卒中の外科・血管内治療学会

著者: 菅貞郎

ページ範囲:P.574 - P.575

 The First American-Japanese Meeting for Sur-gical and Endovascular Treatment of Cerebro-vascular Disordersが2001年2月9日から12日まで米国ハワイ島ヒルトン・ワイコロア・ビレッジで行われた.
 始めに,本学会の経緯について簡単に述べたい.端緒は,前AANS/CNS Section on Cerebro-vascular Surgery会長であった米国オクラホマ大学Loftus教授が,日本の脳卒中の外科学会の熱気に感心され,第27回日本脳卒中の外科学会会長北海道大学阿部弘教授と日米合同学会の話が持ち上がった事と,筆者は仄聞している.その後,2001年の米国Joint Meeting of the AANS/CNSSection on Cerebrovascular Surgery(CVS Sec-tion)and American Society of Interventional andTherapeutic Neuroradiology(ASITN)に日本側が参加して日米合同学会とする事となり,場所も日本から訪れやすいハワイで開かれる事が決まった.米国では脳卒中治療に関してCVS SectionとASITNが以前より合同で学会を行っており,日本側もそれに合わせて,日本脳卒中の外科学会,日本脳神経血管内治療学会が加わり,日米4学会が合同で行う大規模なものとなり,米国CVSSection会長マウントサイナイ病院Bederson教授,ASITN会長エモリー大学Dion教授,第30回日本脳卒中の外科学会会長京都大学橋本信夫教授,第16回日本脳神経血管内治療学会会長東北大学高橋明教授の4会長による共催の運びとなった.時期的に2001年2月の本会が,日本側では第29回と第30回の日本脳卒中の外科学会の間ということもあり,第29回日本脳卒中の外科学会会長であった慶應義塾大学河瀬斌教授が本会の当初より日本側の実務をつとめ,その関係で筆者も会の運営のお手伝いさせていただく機会を得た.この合同学会を開催するにあたり,当初一番心配したのが日本からの参加者が集まるかという事であった.3月の日本脳卒中の外科学会・脳卒中学会を1ヵ月後に控え.ただでさえ忙しい日本の脳外科医の参加が危惧されたが,そこはaggres.siveな日本の脳外科医気質と,開催地がハワイとういう地の利,さらに日本脳卒中の外科学会事務局の宣伝協力を得,予想を上回る180名余りもの日本の脳外科医,1飢管内治療医の先生方のご参加があった.これも一重に関係各位のご高配の賜と深謝している.ただ,プログラム作成が米国で行われ’日米間で連絡不十分の点があり,そのため一部演者の先生方にご迷惑をおかけした点は今後の課題としたいと思う.

基本情報

Neurological Surgery 脳神経外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1251

印刷版ISSN 0301-2603

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?