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研究
複合セラミック(セラタイト)を用いた経鼻的下垂体腫瘍摘出術時のトルコ鞍底の再建術
著者: 阿部琢巳1 松本清1 九島巳樹2
所属機関: 1昭和大学脳神経外科 2昭和大学医学部附属病院病理科
ページ範囲:P.511 - P.515
文献購入ページに移動人工材料を用いた下垂体腫瘍摘出術時のトルコ鞍底の再建に関しては,これまでいくつかの報告がなされてきた1,2,4,5,7,13).近年,セラミックスの有用性が認められ,バイオセラミックスとして用いられるようになった8).この中でもハイドロキシアパタイト・リン酸三カルシウム複合体(hydroxyapatite and tricalciumphosphate:以下HAP・TCPと略す)は,補槇部位周囲の造骨作用を促進し,新正骨と直接結合するとされている3,8,9,10,14,15).HAP・TCP(セラタイト®,日本特殊陶業株式会社製)は従来の骨補填材料よりも強度を有するという利点を有し,多孔体およびスペーサーは脳神経外科,整形外科,耳鼻咽喉科,形成外科,口腔外科領域において種々の骨欠損部の充填や再建に用いられている3,9,11,16).今回われわれは,このHAP・TCPを用いて経鼻的下垂体腫瘍摘出後のトルコ鞍底再建のためのプレート(トルコ鞍プレート)を新たに考案し,それを臨床応用したので報告する.
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