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症例
術前診断が困難であった末梢性中大脳動脈瘤の1例
著者: 中島進1 下川尚子1 中川摂子1 友清誠1 古川義彦1 姉川繁敬1 林隆士1
所属機関: 1聖マリア病院脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.545 - P.549
文献購入ページに移動脳動脈瘤の発生部位はウィルス動脈輪周囲の主幹動脈分岐部が圧倒的に多く,末梢部での発生は少ない.末梢部脳動脈瘤では前大脳動脈領域のものは比較的多く認められるが,中大脳動脈末梢部領域のものは,全動脈瘤中の約2%と少なく稀である12,14).
今回筆者らは,くも膜下出血を伴った右脳内出血症例を経験したが,入院後に施行した脳血管撮影では右内頸動脈海綿静脈洞部に動脈瘤が認められたものの,中大脳動脈領域には明らかな血管奇形を指摘できなかった.緊急開頭手術中に中大脳動脈末梢部の動脈瘤を確認できた症例であるが,手術上の注意点を含め検討したので報告する.
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