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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科29巻7号

2001年07月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

シャントシステムを用いないCEA

著者: 遠藤俊郎1 林央周1 平島豊1

所属機関: 1富山医科薬科大学脳神経外科

ページ範囲:P.605 - P.615

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I.はじめに
 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)は,頸部頸動脈のアテローム硬化性狭窄病変に対する根治的かつ確立された治療法である.特に近年の欧米における共同研究の結果,高度狭窄病変に対する手術意義は一段と明確なものとなっている1,5-7,12).しかし手術手技の具体的内容については術者による相違も多く,特に動脈遮断時のシャント使用の是非や,壁縫合時のパッチグラフト使用については,その評価・選択をめぐり議論がつきない8-10,13,14,16,17)
 各術者がより良い手術成績を目指し工夫を重ねる以上,その方法に差異が生まれることは当然の帰結であろう.筆者らはシャント,パッチは原則として使用せず,また個々の手術手技について若干の工夫を加えながら,手術症例を重ねてきた.これまでの経験より,本手術の成績を左右する最も重要なポイントは,シャントあるいはパッチ使用の有無ではなく,むしろ的確な手術適応と,動脈剥離よりアテロームプラク切除,壁縫合にいたる基本操作の確実,安全な実施にあることを,強く感じている2-4).本稿では,解剖学的知識と基本的手術手技の実際と留意点につき,われわれの経験,考え方を交え紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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