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症例
慢性硬膜下血腫を合併した特発性頭蓋内圧低下症—硬膜外自家血注入後に一側動眼神経麻痺を呈した1例
著者: 三河茂喜1 鮱名勉1
所属機関: 1岩手県立磐井病院脳神経外科 2東北大学脳神経外科
ページ範囲:P.747 - P.753
文献購入ページに移動特発性頭蓋内圧低下症(spontaneous intracra-nial hypotension:SIH)は原因不明の起立性の頭痛として1938年にSchaltenbrandにより“aliquor-rhea”として初めて報告された病態である14).長らく原因不明のままであったが,RI脳槽造影やCT脊髄造影によって髄液の硬膜外腔への漏出が認められ,髄液漏出が頭蓋内圧低下の主な原因と考えられている3,4,12,17).
SIHは約10%に慢性硬膜下血腫(CSH)を合併するとされており3),画像診断の進歩によりSIHが容易に発見されるようになり,SIHに合併したCSHを治療する機会は増加している.しかし,SIHに合併したCSHの治療方針に関して一定の見解は得られていない.
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