文献詳細
文献概要
症例
側副血行路の発達により良好な経過を呈した前大脳動脈解離性動脈瘤の1例
著者: 中西欣弥1 内山卓也1 赤井文治1 山田恭史1 湯上春樹1 辻潔1 種子田護1
所属機関: 1近畿大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.781 - P.785
文献購入ページに移動頭蓋内の解離性動脈瘤は椎骨脳底動脈系(以下,VB系)に多く18),前大脳動脈解離性動脈瘤(以下,ACA-DA)は報告例が23例と稀な疾患である4-17,22).このACA-DAは虚血症状で発症することが多く,この場合保存的治療で良好な経過を得ている報告が多い1,9,10,13,14,16).そのため治療方針として一般的に保存的治療が第1選択となる.しかしながら,保存的治療で進行性あるいは再発性の虚血症状を呈するもの,また進行性解離が認められるものは外科的治療の適応があると考えられており15,17,22),特に経時的な脳血管撮影による血管動態の確認が必要となる.今回われわれは,脳梗塞で発症したACA-DA症例において,経時的脳血管撮影を行うことにより側副循環の発達を認め良好な経過を呈した症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
掲載誌情報