icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻1号

1975年01月発行

文献概要

境界領域

脳カテコールアミンの局在と代謝

著者: 藤原元始1

所属機関: 1京都大学薬理学教室

ページ範囲:P.21 - P.30

文献購入ページに移動
はじめに
 脳および末梢神経系の種々領域での,noradrenaline(以下NA)やdopamine(以下DA)の局在は,すでに1950年代に生化学的にはかなり明らかにされていた(Vogt,1957;Carlsson,1959)が,1962年FalckとHillarpが組織化学的にcatecholamine(以下CA)を直接に顕微鏡下に検出し得る特異的且つ高感度の方法を発表してから(Falckたち,1962;Falck & Owman,1965),急激にその役割りが注目されるようになってきた.それは,CAが特定のニューロンに,しかも終末軸索突起に高濃度に存在することから,末梢神経のみならず,脳のある特定部位でも神経伝達物質として働らくのでないかと考えられるようになったからである.
 中枢神経系では,ニューロンの相互連絡がきわめて複雑であるため,化学的方法のみでニューロン系の性質を明らかにすることが不可能であっただけに,組織化学的方法の発見による寄与は,きわめて大きいといえよう.これに電顕的観察を加え,さらに外科的損傷およびCA代謝関連薬物を応用することにより,NAやDAの機能的役割りが逐次解明されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら