文献詳細
文献概要
扉
LogosとErgonの間
著者: 山本信二郎1
所属機関: 1金沢大学脳神経外科
ページ範囲:P.795 - P.796
文献購入ページに移動Neurosurgeryの中核をなす,surgeryの語源をたどるとsurgery→surgerie→cirurgerie→chirurgeryとなり遂にchirurgia=χειρο〓ργ〓α=χε〓ρ+〓ργονに帰する.これは手の仕事hand workである.外科という言葉の由来も,これは,「内」に対する「外」ではなく,むしろ漢方の「本道」に対応するものである.したがって,外科の起源は洋の東西を問わず,work=ergonの面が強調され,logosとの結びつきが薄かったといえる.外科が真に近代医学の仲間に入れるようになったのは,Listerによる無菌手術に幕を開け,無痛法が確立されて以来のことで,手術治療に対する理論的体系が出来てからである.
掲載誌情報