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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻10号

1975年10月発行

文献概要

追悼文

中田瑞穂先生のご逝去をいたむ

著者: 植木幸明1

所属機関: 1新潟大学脳研究所脳神経外科

ページ範囲:P.812 - P.813

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 中田瑞穂先生は,去る8月18日,82年の生涯を閉じられた.50年住みなれた西大畑の,晩秋さいかちの実がかさかさと音をたてて落ち,四季の草花の咲く古い借家の御自宅で,奥様の手厚い看護のもと,その稀にみる一生を終えられた.暑い日であった.胆石症と,それによる肝障害および膵炎が原因であったが,脳は22年前のWallenberg症侯群発症に一致して,左椎骨動脈に限局性のアテローム硬化がみられた以外,動脈硬化はなく,あたかも壮年の脳を思わせるものであった.
 古語に「所謂師は鐘の如しと,大鳴り小鳴りはその撞く人の力に由るまでなり」という.またとない釣鐘にめぐまれながら,弟子の一人として果して力一杯撞いてきたかと思うと,とりかえしのつかぬことをしてしまったような気がして,悔まれてならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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