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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻11号

1975年11月発行

文献概要

総説

脳炎

著者: 岩田伊保子1 堀川楊1 椿忠雄1

所属機関: 1新潟大学脳研究所神経内科

ページ範囲:P.879 - P.887

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Ⅰ.はじめに
 臨床的に"脳炎"と診断することは比較的容易でありかつ稀ではない.しかし特異な臨床像をとるもの以外は,ウイルス抗体価お.よびその他の検査を駆使しても,その病因を確認することはしばしば困難である.したがって従来,病変の主座あるいは病理学的特徴をとらえて分類することが多く,種々の脳炎の名称が生じたが,近年のウイルスおよび免疫学的進歩,なかでもSlow Virus Infectionの概念1,2,3,4,5)が導入されるにつれ,特にウイルス感染症の概念は変化してきている.現在ではSubacute sclerosing panencephalitis(SSPE)やProgressive multifocal leukoencephalopathy(PML)など長くウイルスが疑われながら病因の不明であった脳炎で,それぞれ麻疹ウイルス,Papovaウィルスの遷延感染であることが確立されている.今後も更に新しく病因が解明される脳炎のあることが期待される.本稿では新潟大学脳研神経内科で入院治療した脳炎の患者41名の症例を中心に,臨床の立場から脳炎について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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