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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻11号

1975年11月発行

文献概要

研究

外減圧術における頭蓋骨弁保存の1方法(第1報)

著者: 中島孝之1 田中衛1 染田邦幸1 松村浩1

所属機関: 1関西医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.925 - P.927

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Ⅰ.はじめに
 急性頭蓋内圧亢進に対する手段は,観血的,非観血的を含め,いくつかの方法が知られているが,外減圧術5,8)は,常に最良最適とはいえないまでも,その減圧効果の大であるのに対し,手術浸襲は比較的小さいことから,しばしば試みられて有効な手段の1つである.この場合,一般的にいって,除去する骨弁は,可及的大きなものとすることが望ましいが,減圧術施行の甲斐あって救命,更に社会復帰も可能となった時,骨弁除去部の大きな頭蓋欠損の修復に頭を脳ますことになるのが常である.
 このような場合,非生体補填材料として,現在Tantalurn, Stainless steel,Titan,Acryl plate, Resin plate等が,一方,生体材料としては,肋骨や腸骨よりの新鮮自家骨,更に同種骨,等も用いられるが10),所謂Kielbone graftのように,脱灰,脱蛋白した材料では骨新生誘導力も弱く2),形態上も,満足出来る外見を形成することに困難を覚える.これらの条件を満足するには,一度除去した自家骨弁を再移植することが最も望ましいことには,説明の余地は無いであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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