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症例
放射線治療4年後に死亡したPinealomaの剖検例
著者: 尾藤昭二1 榊三郎1 郷間徹1 片山正一2
所属機関: 1大阪厚生年金病院脳神経外科 2大阪大学第1病理学教室
ページ範囲:P.1009 - P.1014
文献購入ページに移動松果体部腫瘍はtypical teratomaを除きその大部分は放射線感受性が極めて高いことは諸家の認めるところである.本腫瘍の治療にあたり,まずfirst choiceとしては減圧手術にとどめて放射線治療を行なうか,あるいはまた摘出手術を行なった後に放射線照射を行なうかは意見の分れる所であるが18),一般的には前者の姑息的療法を行なうものが多い.しかしながら果して放射線治療によりて完全に腫瘍が消失し治癒に至るものであるか否かについては,なお確証があるとは言い難い.放射線治療を行なった症例のfollow up,殊に長期生存例の検討と,他方放射線治療を行なりた症例の剖検例の詳細な検討の集積とがその一助になるものと考える.
著者らは,松果体部腫瘍に対して放射線治療後略4年経過して死亡した所謂two-cell patternのpinealomaの剖検例を経験したのでこれを報告し種々考察を加えたい.
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