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症例
最近経験した脳肺吸虫症の3例
著者: 和田秀隆12 木下和夫13 横田晃1 松角康彦1
所属機関: 1熊本大学脳神経外科 2現籍県立大分病院脳神経外科 3現籍九州大学脳神経外科
ページ範囲:P.1031 - P.1038
文献購入ページに移動肺吸虫症はわが国では西日本を中心に全国にみられる寄生虫症の一つとして古くからよく知られた疾患であるが,最近は疫学的知識の普及と,治療薬の開発によって減少しているものと考えられてきた.しかし過去5年間にわれわれは3例の脳肺吸虫症を経験し,また九州の他の施設からも脳肺吸虫症の摘出手術の報告がなされており,この肺吸虫症の脳内迷人による中枢神経障害は,臨床神経学上まだ忘れてはならぬ疾患といえる.
われわれの3例は,いずれも痙攣発作を初発症状とし頭蓋X線単純写での頭蓋内石灰化像が特徴的で,手術によりのう腫性肉芽腫を摘出し,うら1例に壊死組織内に成虫をみいだした.症例を報告するとともに考察を加える.
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