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研究
クモ膜下出血後の脳脊髄液循環動態に関する研究
著者: 平塚秀雄1 菅沼康雄1 露無松平1 大畑正大1 稲葉穣1
所属機関: 1東京医学歯科大学脳神経外科
ページ範囲:P.139 - P.144
文献購入ページに移動クモ膜下出血(SAH)後に起こるcommunicating hydroeephalusに基づく種々の精神・神経症状に対して,shunt手術が有効でありたとのFoltzらの報告8)にはじまり,Adamsらの,いわゆるnormal-pressure hydro-cephalus(NPH)に関する報告2)により,SAH後の脳脊髄液(CSF)循環動態の異常が,近年新たな注目を集めている.一方,脳神経外科領域における脳動脈瘤手術の進歩に伴い,手術死亡率は著しく減少してきたが,術後の精神神経症状を残すものがあり,それら症状の発現に循環動態の異常が重要な要因の1つとなっているものと,思われる.
われわれは,主として脳動脈瘤破裂によるSAH後に生ずるCSF循環動態の変化を明らかにするために,isotope cisternographyを行ない,その所見の分析と,臨床症状,病変の位置,種類,出血回数,手術の効果等との相関関係について検討を加えた.
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