文献詳細
文献概要
研究
実験的水頭症における脈絡叢の電顕的検索
著者: 中村三郎1 大井美行1 森安信雄1
所属機関: 1日本大学脳神経外科
ページ範囲:P.153 - P.162
文献購入ページに移動Dandy4)(1918)の実験以来,脈絡叢は髄液産生のmajor sourceとして注目されてきたがBering & Sato1)(1963)の検索で,"Extrachoroidal source of the cerebrospinal fluid"が証明され,髄液産生の場に関して新たに検討が加えられている.
一方,水頭症における脈絡叢の変化についてても,従来より種々な検討が行なわれている.Hassin6)は12例の水頭症患者における脈絡叢の組織学的検索で,脈絡叢は萎縮,硬化を示しており,この形態学的変化は髄液の産生亢進を示すものではなく,むしろ髄液の吸収に関与していることを示唆するものとして注目した.その後も脈絡叢に吸収作用のあることを支持する報告2,8)がみられる.また,水頭症における髄液産生,吸収動態の検索では,その慢性期において髄液の産生が減少しているという報告7,10)がみられる.
掲載誌情報