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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻2号

1975年02月発行

文献概要

症例

血栓化した巨大前交通動脈瘤

著者: 伊藤治英1 島利夫1 山本信二郎1

所属機関: 1金沢大学脳神経外科

ページ範囲:P.171 - P.176

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Ⅰ.はじめに
 巨大脳動脈瘤には一般に直径が25mm以上(MorleyとBarr)18),あるいは,20mm以上(Stehbens)のものが含められるが,その大きさの最小限に関しては一定の見解をえていない.小さな嚢状動脈瘤はクモ膜下出血を初発症状とし,反覆出血を繰り返す.これとは対照的に巨大脳動脈瘤は脳神経障害,または,脳圧亢進のごとき場所占拠性障害を病像の主体とする.このような巨大脳動脈瘤は内頸動脈,とくに,海綿静脈洞の部位に発生頻度が高く,前交通動脈に発生したものは1959年吉村ら38)の1例をはじめとして,Heiskanen10)Pctondi22),Dvorak7),Bull3),Morley18)らの報告をみるにとどまる.
 最近,われわれは17歳のとき視力障害を初発症状とし,約2年で黒内障になり,さらに,10年後に間脳発作をきたし,頸動脈写と手術所見から診断された巨大前交通動脈動脈瘤を経験したので,文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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