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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻4号

1975年04月発行

文献概要

手術手技

内頸動脈・海綿静脈洞瘻の手術

著者: 太田富雄1

所属機関: 1大阪医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.289 - P.295

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Ⅰ.はじめに
 一般に,頸動脈・海綿.静川民洞痩(carotid-cavernous fistula,以下CCFと略す)という場合,外傷性と特発性(spontaneous)に分けて考えられている.しかし既に指摘したように4),外傷性CCFは殆んどの場合,内頸動脈海綿静脈洞部に瘻形成がみられるのに対し,特発性CCFでは,内頸動脈本幹に旗が形成されておらず,むしろ硬膜動静脈奇形(dural arteriovenous malformation)の一種と考えられ,主として外頸動脈,更に内頸動脈硬膜枝,稀には椎骨動脈が関与し,従って外科的治療法および治療効果が全く異なってくる.その詳細は別の機会にゆずるが,CCFの外科的治療法について考える場合,両者の相違を是非念頭におくべきで,以下述べる我々の開発した手術々式は,あくまでも外傷性内頸動脈・海綿静脈洞瘻(traumatic internal carotid-cavernous fistula,以下ICCFと略す)に対するものである.この他,現在最も広く用いられているCCFの外科的治療法はHambyにより提唱されたtrapping operationに筋肉片栓塞術の組合せ法(1966)2)があるが,既に単行本もあるので今回は省略した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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