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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻4号

1975年04月発行

文献概要

症例

椎骨動脈が後下小脳動脈として終末化し,同部に動脈瘤を合併した1症例

著者: 今井昭和1 頼正夫1 肥田候一郎1 西村敏彦1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院塚口分院脳神経外科

ページ範囲:P.343 - P.346

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Ⅰ.はじめに
 椎骨動脈系は最もAnomalyの多発する部分として知られているが,そのうち一側の椎骨動脈が他側の椎骨動脈と吻合合流して脳底動脈を形成することなく同側の後下小脳動脈として終末化する異常は比較的まれで,推骨動脈写の0.2%の頻度で見られるとの記載7)がある.一方,脳底・椎骨動脈系の動脈瘤は鈴木ら10)の我国における1969年の調査によれば全頭蓋内動脈瘤中の約4.0%であり,Sahs,らの米国内の報告10)でも約5.4%の頻度で見られ,一般に脳血管写上では全頭蓋内動脈瘤の3-6%を占め,更に後下小脳動脈の末梢部における動脈瘤の発生率は全頭蓋内動脈瘤の1%以下10)で比較的少ないものと言える.最近,我々は脳血管写上,右の椎骨動脈が後下小脳動脈として終末化し,その末梢に動脈瘤を認め,手術時,右の椎骨動脈が右後下小脳動脈として終末化しているのを確認しえた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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