文献詳細
文献概要
総説
脳血管のバイオメカニクス的研究
著者: 半田肇1
所属機関: 1東京大学脳神経外科
ページ範囲:P.363 - P.373
文献購入ページに移動はじめに
動脈硬化,動脈瘤などの発生と動脈壁の力学的性質ならびにその局所の血行動態の変化の間には密接な関係がある.この観点に立って,血管系の問題を材料力学や流体力学などの面から解明しようとした試みは古くからなされている.Poiseuilleの法則などもこれらの研究の過程で明らかにされたものである.
近年,米国を中心としてBiomechanicsあるいはBiorheologyと称される領域が急速な発展をとげてきた.これは生体を医学と力学の夫々専門的な知識を融合した立場から研究しようとするもので,もっとも多くの研究がなされているのが,血液循環系の分野(HemodynamicsあるいはHemorheology)である.私たちは数年前から,脳動脈瘤の成因ならびに破裂機序をBiomechanicsの立場から解明しようとして研究にとりくんでいる.ここでは脳血管の特異性を中心に,その一端を述べる.
動脈硬化,動脈瘤などの発生と動脈壁の力学的性質ならびにその局所の血行動態の変化の間には密接な関係がある.この観点に立って,血管系の問題を材料力学や流体力学などの面から解明しようとした試みは古くからなされている.Poiseuilleの法則などもこれらの研究の過程で明らかにされたものである.
近年,米国を中心としてBiomechanicsあるいはBiorheologyと称される領域が急速な発展をとげてきた.これは生体を医学と力学の夫々専門的な知識を融合した立場から研究しようとするもので,もっとも多くの研究がなされているのが,血液循環系の分野(HemodynamicsあるいはHemorheology)である.私たちは数年前から,脳動脈瘤の成因ならびに破裂機序をBiomechanicsの立場から解明しようとして研究にとりくんでいる.ここでは脳血管の特異性を中心に,その一端を述べる.
掲載誌情報