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研究
脳scintigraphy施行時に静脈内投与された99mTcO-4の髄液内移行
著者: 竹山英二1 大久保正1 馬場元毅1 別府俊男1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.389 - P.397
文献購入ページに移動各種の器質的,機能的脳疾患において,脳血液関門(blood-brain-barrier以下BBBと略す)は,その透過性に変化をきたすことはよく知られている2,21).しかし現在日常行なわれている一般の臨床検査でその指標となるものは存在しないといってよいであろう.我々はBBBの状態を知る方法として,脳血管写,気脳写,脳波などと並んで,現在ひろく施行されている脳scintigraphyに注目し,その際,経静脈的に投与されるradio isotope(99mTcO-4:technetium pertechnetate)の脳脊髄液(cerebrospinal fluid:以下CSFと略す)への移行を各種脳疾患について検討した.その理由は,脳scintigraphyは上記諸検査と異なり,いわゆる"parenchymatography"としての要素が強く,その精度には限界があるにしても,BBBの崩壊度を視覚化するものであると考えたからである.その際全身的に投与されたradio isotope(以下RIと略す)が,BBB又は脈絡叢を主とする血液髄液関門(Blood csf-barrier;以下BCBと略す)を経てCSFへ移行する程度(静脈血中RI activity/CSF中RI activity)は,障害部位の機能的状態を反映するはずである4,6,7,11).
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