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文献概要
症例
妊娠時に発症した頸髄黒色腫の1例
著者: 山本昌昭1 沖野光彦1 別府俊男1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.415 - P.422
文献購入ページに移動原発性脊髄黒色腫は,極めて稀な疾患である.黒色腫がneural crest由来のmelanocyteを母地とするならば,中枢神経系にも発生するのは,むしろ当然と言わねばならない.しかしながら,皮膚以外の部位に発症する事は比較的稀であり,中枢神経系に原発した黒色腫は,文献上,現在まで百数十例を数えるに過ぎず,本邦では,20数例を見るに止まる.中でも,原発性脊髄黒色腫の報告は,更に少ない.
我々は,妊娠後期に発症した,第2頸椎レベルの原発性脊髄黒色腫の1例を経験した.ここに本症例を報告すると共に,少しく文献的考察を加えて見たい.
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