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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻6号

1975年06月発行

文献概要

総説

脳死

著者: 竹内一夫1

所属機関: 1杏林大学脳神経外科

ページ範囲:P.451 - P.458

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はじめに
 腫瘍・炎症・外傷・血管性障害・先天性奇形などによる脳の急性一次性粗大病変は,脳神経外科領域における主要な治療対象である.したがってわれわれ脳神経外科医は古くからこれら疾患の末期(死戦期)に,いわゆる「脳死」41,42,50,57,77,82)の状態があることを経験していた.一方,心疾患・窒息・薬物中毒・麻酔事故などによる一過性の心拍・呼吸停止乃至脳無酸素症にも同じような状態がみられるようになった2,33).ことに蘇生術の進歩により,これら症例の頻度はむしろ増加の傾向にある.
 たまたま1967年末,Bernardにより最初の心臓移植が行われ,脳死への関心が急速にたかまり,一時はかなりの混乱もあったが,今日ではほぼ一段落した.そして最近では脳死状態の判定方法の確立,脳死前の状態における治療などに関する研究が盛になってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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