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研究
乳幼児におけるカテーテル法による脳血管撮影法について—7歳以下の小児59例,71回の経験の検討
著者: 後藤勝彌1 高橋睦正1 玉川芳春1
所属機関: 1秋田大学放射線科
ページ範囲:P.475 - P.483
文献購入ページに移動小児の中枢神経疾患の診断上,脳血管撮影の果す役割の重要性については論をまたないが,その手技の困難さゆえ,また合併症に対する莫然とした恐れゆえにとかく敬遠されがちである.その方法に関しては様々な試みがなされているが,それぞれに一長一短があり現在最も広く行われているいわゆるroutineの方法と呼ぶべきものはない.
我々は過去数年来,様々な中枢神経疾患を有する小児にSeldinger法により経皮的に大腿動脈にカテーテルを挿人して選択的脳血管撮影を行ない診断に役立てて来た.ここにその手技を紹介し,当科開設以来2年半の間に検査を施行した小児の中より全身麻酔を要し,またカテーテル挿入の際その他にいくらかの固有の工夫を行わねばならない7歳以下の小児59例を選び,その71回の経験をもとに乳幼児に本法を施行することに伴う様々の間題点について検査を行なう.
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