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大孔部骨奇形の臨床(Ⅰ)
著者: 朝長正道1
所属機関: 1福岡大学脳神経外科
ページ範囲:P.531 - P.540
文献購入ページに移動大孔部あるいは頭蓋頸椎移行部には,種々な骨奇形があり,臨床的に多彩な神経症状を伴うことも多い.このような骨奇形の存在は,すでに4世紀頃より知られていたといわれている.その後近世までは主に人類学の立場より興味がもたれてきた.basilar impression(頭蓋底陥入症,以下BIと略す)についてはAckermann1)が1790年はじめて記載し,くる病,クレチン病との関係について論じている.そのほか,老人性萎縮,慢性水頭症,骨軟化症などと関連づけた論文が散見され,Berg & Retzius6)は1855年,その機械的発生要因を強調し,impressio baseos craniiと名づけている.
1857年Virchow62)は,このような症例で頭底角が大きいことに気づき,これをplatybasiaと名づけ,またBIとクレチン病との関係に否定的な考えを述べている.1865年Boogaard9)は現在でもBoogaard's angle, Boogaard's lineとして知られている頭蓋底の計測法を発表している.しかし,basilar impressionという名称が広く知られるようになったのは,1876年のVirchow63)の論文以後のことであり,この頃より生前の臨床症状との関連についても言及されるようになった.すなわち前記Boogaard9)が運動,言語障害のあった症例を示し,Solbergは,てんかんとの関係について論じている.
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