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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻7号

1975年07月発行

文献概要

手術手技

側脳室内腫瘍

著者: 森安信雄1

所属機関: 1日本大学脳神経外科

ページ範囲:P.541 - P.546

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 側脳室腫瘍は本来,脳室上衣あるいは脈絡叢から発生して脳室内に発育する腫瘍をいうが,一方脳室壁周辺のglia組織から発生した腫瘍が,抵抗の弱い脳室内に突出発育して脳室腔を占拠するような場合もまた側脳室腫瘍として扱われる,Koosは前者を固有側脳室腫瘍Eigenventrikeltumor,後者を考側脳室腫瘍Paraventrikeltumorと呼んで分けているが,固有側脳室腫瘍としてはchoroid plexus papilloma,ependymoma,meningioma,epidermoid,teratomaなどがあり,旁側脳室腫瘍としてはglioma系のastrocytoma,oligodendroglioma,glioblastoma multiformeなどが多い.
 側脳室腫瘍の発生頻度は,Koosによれば全脳腫瘍の4.17%にあたり,さらに固有側脳室腫瘍は2.9%とされ,全脳腫瘍に対する比率は多いものではない.固有側脳室腫瘍のうち,chroid plexus papillomaは大部分10歳以下の小児期に発生し,ことに1-2歳の乳幼児期に多くみられる.meningiomaは成人に発生するが,男女比では女性にわずかに多いとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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