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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科3巻7号

1975年07月発行

文献概要

研究

小脳腫瘍の血管内皮細胞における特異なOrganelleについて

著者: 川村純一郎1 上条純成2

所属機関: 1北野病院神経内科 2京都大学脳神経外科

ページ範囲:P.565 - P.570

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Ⅰ.はじめに
 近年,腫瘍が腫瘍細胞以外になぜ血管の新生増殖を生じるかに興味が持たれるようになり17,18,22),腫瘍細胞にTumor Angiogenesis Factor(TAF)が存在することが明らかとなってきた6).TAFは,血管の新生を促し血管内皮細胞内のDNA合成を高め内皮細胞にmitogenicに働くとされている3,4,6).しかしながら少くとも脳腫瘍の超微細構造の検索では,通常腫瘍細胞自体の形態に注目されるが腫瘍の一部を形成する"腫瘍血管"にはあまり注意が払われず,ことにその内皮細胞の形態はまだ明らかではない.
 1964年WeibelとPaladeは,正常ラット及びある種の蛙の血管内皮細胞にrod-shaped tubulated bodyと名付けられた新しいorganelleを発見した24).これは現在では,血管内皮細胞に特有のもので,種々の正常又は異常組織の血管内皮細胞内に存在することが知られており5,14,16,21),脳腫瘍血管内皮細胞にも観察されている8-10,12,13).その機能はまだ不明であるが,内皮細胞の代謝,成長あるいは細胞の機能それ自体に何らかの役割を果すのではないかと考えられる1,2,11,14,16,19,24)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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