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手術手技
慢性硬膜下血腫の手術—大骨ボタン骨窓法について
著者: 橋場輝芳1 高松秀彦1
所属機関: 1札幌医科大学神経外科
ページ範囲:P.631 - P.637
文献購入ページに移動はじめに
慢性硬膜下血腫は脳神経外科臨床においてきわめて日常的に遭遇する疾患の一つであり,診断・治療の面においてはもはや確立されたかの観すらある.
被膜を有する本血腫の発生機序に関してはいまだに未解決の問題であるが,本血腫の進行性の増大は血腫被膜内へ反復して生ずる岸血,液体成分の滲出によると考えられている24,26,36).慢性硬膜下血腫はかくのごとくして臨床的に発症してくる.このさい血腫下の脳実質の浮腫も症状発現に関与するのである7).しかし血腫は成長するにつれてむしろ血腫被膜の線維化が進行し,血腫内への出血,滲出は減少し血腫は消退期に向いついには器質化するのみならず場合によっては石灰化すらする20,29).
慢性硬膜下血腫は脳神経外科臨床においてきわめて日常的に遭遇する疾患の一つであり,診断・治療の面においてはもはや確立されたかの観すらある.
被膜を有する本血腫の発生機序に関してはいまだに未解決の問題であるが,本血腫の進行性の増大は血腫被膜内へ反復して生ずる岸血,液体成分の滲出によると考えられている24,26,36).慢性硬膜下血腫はかくのごとくして臨床的に発症してくる.このさい血腫下の脳実質の浮腫も症状発現に関与するのである7).しかし血腫は成長するにつれてむしろ血腫被膜の線維化が進行し,血腫内への出血,滲出は減少し血腫は消退期に向いついには器質化するのみならず場合によっては石灰化すらする20,29).
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