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研究
Neuroaxisに発生するEpithelial cystの電子顕微鏡学的考察—いわゆるEpendymal cystの再検討
著者: 平野朝雄1 松井孝嘉2
所属機関: 1 2 3
ページ範囲:P.639 - P.646
文献購入ページに移動クモ膜下腔に発生するcystic tumorは通常,脳外科的に極めて良い治療成績をあげ,それに関する文献もかなりある7,11,12).一般によく知られているのはarachnoidcystであり,その壁はarachnoid cellで構成されている3,11).その他に,上皮細胞がcyst壁を形成する場合がある,この上皮細胞よりなるcystic tumorを,cystwallの構成より分類すると,多層のものと単層のものがあり,前者ではepidermoidやdermoid cystが知られている.又,後者の大部分は,光顕上ependymal cystと診断されている事が多い.このcystの起源については様々の説があり,ependymal,teratomatous,enterogenous cyst9,13)などと呼ばれている.しかし,正確な起源及び,cystを構成する上皮細胞の構造の詳細については明白でない.電子顕微鏡により微細構造が解明されてきたので,その見地から中枢神経系に発生する単層のcystic tumor,いわゆるependymal cystと,それに関連したcystic tumorについて,その起源を検討してみたい.
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