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研究
蝶形骨洞および後部篩骨洞粘液嚢腫(mucocele)12症例についての検討
著者: 小野陽二1 小野豪一1 千ケ崎裕夫1 石井昌三1
所属機関: 1順天堂大学脳神経外科
ページ範囲:P.681 - P.689
文献購入ページに移動臨床的にparasellarあるいはsuperior orbital fissure近辺の病変が疑われるにもかかわらず,確定診断がつかぬまま経過し,高度の視力障害をのこす症例をしばしば経験するが,この中には蝶形骨洞及び後部篩骨洞のmucoele又はpyocele(以下mucceleと一括する)に起因するものが少なくない.
しかし,従来これら蝶形骨洞及び後部篩骨洞のmucoceleは解剖学的位置関係の複雑さと,鼻症状が軽微などのために診断が困難であることもあって,極めて頻度の少ないものと考えられており,前頭洞に発生するmucoceleと比較すると約1/10の発生頻度にすぎぬといわれている.
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