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手術手技
硬膜外血腫の手術
著者: 山本信二郎1 伊藤治英1 埴生知則1
所属機関: 1金沢大学脳神経外科
ページ範囲:P.725 - P.730
文献購入ページに移動硬膜外血腫の典型的なものは,硬膜外バルーン実験の場合に類似し,その症状の推移は脳偏移と,頭蓋内圧の亢進による.この場合,症状がcriticalなレベルに達する前,あるいは尚,可逆的な状態において血腫除去がなされるならば,全ての症例が完全に治癒されうるといってもよい.従ってこの疾患の治療の本質は,いかに速やかに診断され,かっ適確な手術がなされるかにある.もし,術後に脳浮腫の発生が予測されるならば,その対策が問題となる.
われわれが最近約10年間に経験した外傷性硬膜外血腫は57例で,これは入院治療した頭部外傷の7.9%,外傷性頭蓋内血腫の26.5%にあたる,しかし実際は,硬膜外血腫として取扱われるものでも,多少に拘らず,外力に直接起因する脳挫傷その他の損傷を合併するのが常である.例えば典型的症状の1つとしてあげられる,lucid intervalの前駆をなす脳震盪症状さえ,器質的な変化として証明し得ないとしても,脳に何らかの損傷が生じたことに間違ない.
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