文献詳細
文献概要
症例
Foramen Magnum Meningioma自験例及びその診断学的考察—特にForamen Magnum Syndromeについて
著者: 藤田勝三1 松本悟1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.763 - P.768
文献購入ページに移動foramen magnum meningiomaはその初期の段階では,外科的治療が不可能な他の変性疾患と鑑別することが非常に困難な臨床症状を呈することがある.発病初期においては,頸部神経叢上部と延髄下部のいわゆる"silent area"に位置すること,さらにforamen Inagnum近辺では,他の脊髄腔に比べて比較的広い空間を有しているために腫瘍がかなり大きくなるまで臨床症状の発現をみないので,初期の段階で適確な診断を下すことは非常に困難である.Love,J.G.9)らの報告ではforamen magnumの近辺に発生する腫瘍の内30%は良性,髄外腫瘍で,全摘開が可能であるが,その解剖学的位置により患者の予後は腫瘍の大きさと症状の期間に大きく左右される.従って外科的治療が比較的簡単な早期の段階で診断をつけ治療することが非常に重要である.
掲載誌情報