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症例
急性後頭蓋窩硬膜下水腫—後頭蓋窩骨折と血腫形成について
著者: 三浦史彦1 淵之上徳郎2 町山信義2 佐藤邦夫2 設楽信行1 北条俊太郎1 斉藤利重2 氷室博3 矢作保治2
所属機関: 1東京大学脳神経外科 2都立豊島病院脳神経外科 3東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.769 - P.776
文献購入ページに移動外傷性後頭蓋窩硬膜下水腫の報告は散見されるが,いずれも亜急性および慢性の症例が主で,急性の経過をとる症例は本邦では報告をみない様である.我々は後頭部外傷後,急性の経過をとり,重篤なる症状を呈したが,手術により救命に成功した3症例を経験したので,この疾患の存在と臨床的意義について報告する.また後頭下に骨折を有する患者に着目する事が後頭蓋窩血腫の診断,ひいては本症の発見にも結び付く密なる関係を有することを認めたので,後頭蓋窩骨折と血腫発生の面よりみた統計結果を加え報告する.
統計を試みた1972,6.1-1973,5.31の1年間は,軽症から重症まで比較的無差別に担送されてきた頭部外傷患者を対象とした結果であり,急性期症例が多い.
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