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集中連載 21世紀の脳神経外科
ポストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療
著者: 田渕和雄1 白石哲也1
所属機関: 1佐賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.13 - P.21
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
膠芽腫glioblastoma患者の生命予後は,過去数十年間に有意に改善したとはいえず,現在も5年生存率が10%以下と,極めて悲惨である.過去10年間,膠芽腫の発生,増殖,浸潤などに関与するさまざまな遺伝子が同定され,Rb経路とp53経路のそれぞれにおける細胞シグナル伝達系に,何らかの異常が必須であるらしいことが判明してきた.しかし,膠芽腫をめぐるこのような基礎的知見が直接日常の診療に役立つまでには至っていない.
最近,DNAマイクロアレイ技術の進歩によって,gene expression profilingの解析が容易となりつつあるが,やがて膠芽腫に関してもgenotypeの詳細な全容が解明されると思われる.
膠芽腫glioblastoma患者の生命予後は,過去数十年間に有意に改善したとはいえず,現在も5年生存率が10%以下と,極めて悲惨である.過去10年間,膠芽腫の発生,増殖,浸潤などに関与するさまざまな遺伝子が同定され,Rb経路とp53経路のそれぞれにおける細胞シグナル伝達系に,何らかの異常が必須であるらしいことが判明してきた.しかし,膠芽腫をめぐるこのような基礎的知見が直接日常の診療に役立つまでには至っていない.
最近,DNAマイクロアレイ技術の進歩によって,gene expression profilingの解析が容易となりつつあるが,やがて膠芽腫に関してもgenotypeの詳細な全容が解明されると思われる.
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