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症例
副腎皮質ステロイド減量中に発症した良性頭蓋内圧亢進症の1例
著者: 三枝邦康1 武井秀憲1 宍戸恒郎1 大木純1 直江伸行1 大野喜久郎2
所属機関: 1榛原総合病院脳神経外科 2東京医科歯科大学脳神経外科
ページ範囲:P.57 - P.62
文献購入ページに移動良性頭蓋内圧亢進症(benign intracranial hyper-tension;BIH)は,頭蓋内圧亢進症状があるにもかかわらず頭蓋内占拠性病変を認めず,一般に良好な経過をたどる疾患群とされる.しかし,視力障害等が後遺症として残る場合もあり,必ずしも良性とは言い切れない2).今回われわれは,副腎皮質ステロイド長期服用後の減量中に発症し,視力障害を来した良性頭蓋内圧亢進症の1例を経験した.BIHの原因は多様性に富むが,副腎皮質ステロイド減量が原因と考えられる報告は,検索し得た限りでは,9例しかないため,若干の文献的考察を加え報告する.
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