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症例
下髄帆AVMの手術—小脳扁桃可動性を得る工夫—Uvulotonsillar Approach
著者: 茂野卓1 熊井純一郎1 遠藤賢1 堀田信二1
所属機関: 1関東労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.87 - P.92
文献購入ページに移動脳幹部脳動静脈奇形(AVM)も主たるnidusがextrapial planeに存在する場合は摘出術が考慮されるべきことを,Drakeは25年以上前に提唱している1).小脳下髄帆(inferior medullary velum)は第4脳室脈絡組織(tela chroidea)とつながって第4脳室の下面を構成する.この部に存在したAVMの手術を呈示する.基本はSeeger5)が20年前に記載した“Lateral Operations in the Fourth Ventricle”を用い,小脳扁桃と延髄の間から下髄帆に達する方法である.小脳扁桃を外側に十分偏位させ,側方はcerebellomedullary fissureを開放して下髄帆に至り,上方正中はuvulotonsillar spaceを経て脈絡組織に至り,決して小脳虫部を切らない.最近telovelar approach4)あるいはtranscerebellomedul—lary fissure approach3)と発表されたが,基本はSeeger5)に負う.最も大切なことは小脳扁桃の可動性を十分に得ることで,これにより小脳扁桃あるいは小脳虫部の圧排を避ける.体位,皮切,開頭,くも膜切開の工夫を呈示する.
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